「たきざわ正宜議員によるセクシュアルハラスメント行為に係る事案の議員政治倫理調査特別委員会審査報告書について」 日本共産党墨田区議団の見解

 たきざわ正宜議員からセクシュアルハラスメント行為(以下、セクハラという)を 受けたとする、しもむら議員の告発について、墨田区議会は、政治倫理条例(墨田区議会議員の政治倫理に関する条例)に基づき議員政治倫理調査特別委員会を設置して、調査を行いました。調査特別委員会は、5月から9月にかけて7回開かれ、審査報告書を取りまとめました。
 審査報告書は、「セクハラがあったと認定」し、たきざわ議員に対して「5日間の出席停止勧告を講ずるべきものと決定した」としています。この審査報告書は9月30日の本会議で可決されましたが、わが党は「5日間の出席停止勧告」ではなく、「議員辞職勧告」を行うべきと考え、反対しました。
 本件に対するわが党の見解は以下の通りです。

1 議員政治倫理調査特別委員会における審査結果について

(1)「セクハラ行為があった」と認定したことは評価

 たきざわ議員が、(朝日新聞10月1日付の記事にあるように)セクハラ行為について終始否定するもとで、審査報告書が「2024年5月23日から2025年5月 22日までの間に、たきざわ議員からしもむら議員に対して、議会内での身体的接触を求める言動や議会外での服装に関する発言が複数回あり」「政治倫理条例規準に違反する行為に当たると判断した」ことは調査特別委員会が一定の役割を果たしたものと言えます。
 さらに、調査請求期間(2024年5月23日から2025年5月22日までの1年間)外においても、「本件と一連の行為と考えられる議会外での身体的接触を伴う複数回のセクシュアルハラスメント行為があった」と推認したことは評価できます。

(2)3年間にわたりセクハラという重大な人権侵害を繰り返した、たきざわ議員には「議員辞職勧告」を行うべき

 たきざわ議員に対する措置については、「他の自治体における類似事例、区議会議員としての職責の重さ、しもむら議員が受けた精神的及び身体的な苦痛」などを勘案して「議会活動を制限するという重い措置として、5日間の出席停止勧告を講ずることが妥当であるとの結論に至った」としています。
 政治倫理条例は、違反した議員への措置として、①議場における議長の注意、②議場における謝罪文の朗読、③一定期間の出席停止勧告、④議会の特別委員の辞任勧告、⑤議長等の役職辞任勧告、⑥議員の就任する附属機関委員の辞任勧告、⑦議員辞職勧告を掲げています。審査報告書は「重い措置」だとしていますが、7つある措置のうち、3番目に軽い措置となっています。
 区民からも、「処分が甘すぎるのではないか」「辞職すべきではないか」などの声が寄せられています。
 セクハラという重大な人権侵害を3年間にわたり繰り返し行ったことは、倫理的・道義的観点からも極めて重大です。基本的人権の侵害であり、決して容認できません。しかも、たきざわ議員には、しもむら議員の告発を真摯に受け止めて、反省しようとする姿勢がまったく見られないなど、区議会議員としての資質が問われています。
 わが党は、たきざわ議員が自ら議員辞職することを改めて求めます。

2 秘密会として、議事録も公開しないのは大問題

 審査報告書は、「双方のプライバシーに配慮し、全7回のうち6回の会議を秘密会とした」としています。セクハラという問題の性質からプライバシーに配慮して、一部を非公開とすることは理解できますが、(朝日新聞10月1日付の記事にあるように)被害者であるしもむら議員が勇気をもって公開での審議を求めたにも関わらず、ほぼ完全な秘密会としたことは大問題です。そのために、議員政治倫理調査特別委員会の設置等について協議した議会運営委員会も、「審査報告書」を議題とした本会議も秘密会とされ、議事録も非公開となっています。
 墨田区議会は、「区民に開かれた区議会」「区民への説明責任を果たす」ことを標榜していますが、今回の一連の対応は、区議会史に汚点を残すものと言えます。
 わが党は、秘密会にすることに強く反対してきましたが、議事録等については公開するよう改めて求めるものです。

 2025年10月5日

日本共産党墨田区議会議員団

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