コロナ禍でより深刻になった生活保護の改善、心のケア強化を はらつとむ区議の本会議質問

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墨田区議会定例会

一般質問を行う、はらつとむ区議
(6月17日、区議会本会議場)

 墨田区議会定例会6月議会が、6月12日から30日までの日程で開かれました。

 17日には、はらつとむ区議が一般質問に立ち、「生活保護制度の改善と相談体制の強化」、「心の健康」、「SNSにおけるトラブルの予防」などについて、山本区長と加藤教育長の見解を質しました。

弱い立場の人に寄り添い生活保護制度の改善を

はら ①生活保護で単身世帯の場合、家賃の上限は5万3700円で、この値段で探すことは大変難しい。住宅扶助の引き上げを国に求めるべき。②ケースワーカーは、社会福祉法の標準80世帯に対し6名ほど足りない。増員をすべき。③生活保護などの夜間・休日の問い合わせについて、宿直が当番の係長に電話をつなぐことになっているが知られていない。周知を図るべき。④一時宿泊所にジェンダーの視点を取り入れ、ビジネスホテルなどを用意するなど丁寧な対応を。

区長 ①住宅扶助上限額は適正なものと認識しており、国への要望は考えていない。②ケースワーカーの増員は、受給世帯数の状況等も鑑み、必要な人員を適切に配置していく。③年末年始など閉庁日が続く期間を中心に、配慮を要する世帯への周知を継続していく。④性別違和を有する方から住まいのご相談があれば、個室の宿泊所の確保など、状況に応じた対応を行っている。

コロナ禍のもと心のケアの強化を

はら ①悲嘆に寄り添い心のケアを行う『グリーフケア』の普及が求められる。大阪府豊中市では、うつ病・自殺対策の一環として、パンフレットを、死亡届を提出した人や、病院・高齢者施設・葬儀社に配布している。また、市民や市職員向けの講座にも取り組んでいる。区も、このような取り組みをすべき。②コロナ禍のもと、DVや虐待が大きく取り上げられた。一人暮らしの高齢者からは、外出ができないために、うつ状態になったとの声も聞く。教育現場での相談場所や、不眠やうつが続く場合は、保健所で相談にのることなどを周知すべき。一人ぐらし高齢者には、訪問を含めた見守り強化が必要だ。

区長 ①区民向けの自殺対策研修や、区報、ホームページ、チラシなど広報媒体を活用してグリーフケアの情報の発信に努めている。今後は、関係施設にチラシを置いてもらえるよう働きかける。②保健所において、「こころの相談」を開始した。相談内容に応じて、福祉事務所や、子育て支援総合センターなど、専門的な部署と連携し、継続的な支援を行う。

SNSにおけるトラブルの予防対策を

はら ①SNSで中傷された女子プロレスラーが22歳の若さで命を絶った。このような悲劇を繰り返さないために、ネット社会の在り方について議論や対策が求められる。区としてSNSの便利な面とマイナスの面を啓発していくことが大切。小・中学校では、学期ごとに1時限ずつ講習を行うとしているが、時間数を確保し、気を付けることを集中的に学び、その後、時事ニュースなどを用いて復習を。②「墨田区人権啓発基本計画」では、冊子の普及や区報の人権コラムなどにとどまっている。SNSについて家族で考える区報の特集号の作成や、大人向けのSNS活用講座を開くなど、取り組みを強化すべき。

教育長 ①学期ごとの授業は、長期休業前に「SNS東京ノート」 等を活用して行うが、時間の確保を指導していく。必要に応じて時事的なニュースと関連付けながら、子どもたちの習熟度に応じて丁寧に指導していく。

区長 ②区報特集号の作成や、大人向け活用講座の開催等については、今後の参考とさせていただく。

<すみだ区議団ニュース 第508号より>

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