決算特別委員会 村本ひろや区議が意見開陳

 私は、日本共産党墨田区議団を代表して、報告第1号 令和7年度墨田区一般会計歳入歳出決算、報告第2号 令和7年度墨田区国民健康保険特別会計歳入歳出決算、報告第3号 令和7年度墨田区介護保険特別会計歳入歳出決算、及び報告第4号 令和7年度墨田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から一括して意見開陳を行います。

 2025年度の決算認定にあたっては、異常な円安、物価高騰、イラン情勢が長期化し、くらしや営業がいっそう深刻になるなかで、区民や事業者に十分な支援が行われてきたのか、抜本的な負担軽減が図られてきたのかが厳しく問われます。また、財政効率化を優先し、公共施設の統廃合や民営化を進めてきた区政運営によって、公的責任を後退させ、区民サービスを低下させてきた区政の責任も大きく問われます。
 昨年度の当初予算を見ると、墨田区の高齢者1人あたりの老人福祉費は13万2000円となっています。この額は、23区平均の17万8000円を4万6000円も下回っており、23区中22番目です。高齢者福祉に冷たい区と言えるのではないでしょうか。
 一方で、財政調整基金は、2025年度末で264億5683万9千円に及んでおり、この10年で3.7倍です。23区の平均は1.37倍であり、墨田区のため込みは異常だといえると思います。
 区は、標準財政規模の30%の額を下限とし、財政調整基金の積み立てをさらに続けるとしていますが、必要性も根拠も不明確で、これ以上積み立てを続ける道理はありません。
 区長も、区民や事業者を取り巻く環境は厳しいとの認識を持たれているなかで、この財政調整基金を、区民や事業者のためにいっそう活用すべきです。水道光熱費への補助や家賃補助、高すぎる国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の引き下げなど、くらしや営業への支援、負担軽減の実現を図るべきです。
 区の新基本計画を見ると、とうきょうスカイツリー周辺、曳舟駅周辺、錦糸町駅周辺、隅田川沿川地区などの再開発事業に、10年間で約479億円もの税金を投入する計画です。とうきょうスカイツリー周辺では、鉄道事業者が超豪華ホテルやソラマチの増床を計画しており、区が、そのような「稼ぐ」大型開発に巨額の税金を投入していいのかが厳しく問われます。
 さらに、大型開発は、深刻な地価や家賃の高騰、環境破壊を招く大きな要因ともなっています。区民にとってはさらなる負担増につながるものです。
 巨額の税金を投入する大型開発は抜本的に見直し、防災・環境・住宅など、区民が安心して暮らせるまちづくりを中心に据えるべきです。

 以上が、決算の認定に反対する基本的な考えですが、次にいくつかの重要な問題について意見を述べさせていただきます。

 はじめに、防災対策の抜本的強化についてです。
 墨田区の不燃化、耐震化は、進捗に大きな伸びが見られず、とりわけ北部は、不燃化が完了していない建物が約4割も残されています。不燃化、耐震化が進まない一番の要因は、改修費の高さです。区の防火・耐震化改修促進助成費は、特定区域を除き、最大100万円の補助となっていますが、補助額の引き上げ等、助成の抜本的拡充を図るべきです。
 また、墨田区の避難所は、依然として最大約57000人しか収容できず、質・量ともに不十分です。公共施設を増やすなど、避難所を十分確保し、被災者が尊厳ある生活を営むために必要な国際的最低基準であるスフィア基準に見合った避難所の環境改善を図るべきです。
 防災対策においては、区の防災計画で、「自助」「共助」が中心に位置づけられ、「公助」が弱められていることが根本的な問題です。区は、家庭での防災備蓄に加え、不燃化・耐震化を進めることまで「自助」として、区民に負担を押しつけています。また、自力で避難できない方への対応について、町会・自治会に要配慮者サポート隊の整備を求め、「共助」に頼っていますが、町会・自治会も高齢化で人員の確保に苦労しており、体制整備が困難なところが多いのが実態です。「自助」「共助」が中心の防災計画では、大規模災害時に多数の犠牲者が出ることは避けられません。「公助」を強化した防災計画へ、抜本的な見直しを図るべきです。

 次に、DV相談支援の充実についてです。
 すみだ共生社会推進センターでのDV相談は、相談員が1日1人という体制で、年間1000人を超える相談者に対応するにはあまりにも脆弱です。実際、相談者自身に、別のところへ行ったり、連絡をしたりすることを求めることが多くなっており、十分な対応ができていません。
 DV被害者にとっては、相談に行くこと自体がとても勇気のいることであり、どの相談窓口であっても、ワンストップで解決が図られることが最も望ましい対応です。DV被害者に負担をかけることのないよう、相談員の増員、相談体制の拡充を強く求めます。

 次に、区民税や国民健康保険料の納付事務を抜本的に改善し、人道的な配慮を図ることについてです。
 区民税、国保料とも年々差し押さえが増加しています。とりわけ、所得が低い人に差し押さえが集中し、そのほとんどが少ない預金の差し押さえとなっています。
 差し押さえを受けている人の多くが、生活に余裕がなく、税金や保険料を払いたくても払えない人たちです。区は、そういった人たちに寄り添った対応をとってきたでしょうか。差し押さえの前に、電話、訪問等でくらしの様子を伺うなど、一人一人の実態に応じた丁寧な対応が必要ではないでしょうか。
 しかし、区は、相談に来ない人が悪いとして、差し押さえ予告を送ってすぐに差し押さえをしています。あまりにも冷たいやり方です。
 こうした納付事務を抜本的に改善し、強引な差し押さえは中止すること、一人一人に寄り添った丁寧な納付相談で、人道的な配慮を図ることを強く求めます。

 次に、気候変動対策の抜本的強化についてです。
 墨田区は、2000年度比で2030年度までにCO2排出を50%削減する目標を掲げていますが、現時点でその目標の半分にも到達しておらず、このままではその目標達成が厳しい状況です。
 これまで区としては、CO2排出削減につながる取り組みへの補助などを行っていますが、施策は不十分であり、周知、啓発の強化も求められています。とりわけ、賃貸住宅に住む人が活用できる助成制度が少なく、新たな助成制度を設けるなど、対策が必要です。また、CO2排出の多い事業者への働きかけも不十分で、さらに働きかけを強めることが求められます。
 気候変動を止めるために、CO2の排出削減は重要課題であり、区としても対策を抜本的に強化することを求めます。

 次に、区立たちばなホーム、はなみずきホームの廃止を撤回し、特別養護老人ホームの待機者の解消を図ることについてです。
 2025年度末で、特別養護老人ホームの入所を申し込んで入れない方は671人にのぼり、年々待機者は増加しています。
 旧立花中学校跡地に特養ホームが建設される予定ですが、それと同時に区は、たちばなホーム、はなみずきホームを廃止する計画であり、待機者の解消に背を向けています。
 区内では老老介護も増加し、待機者の解消は待ったなしの課題です。旧立花中学校跡地に特養ホームが建設されたあとも、区立たちばなホーム、はなみずきホームは存続し、さらに新たな特養ホームの建設も目指し、待機者の解消を図ることを強く求めます。

 次に、民泊やホテル等に対するいっそうの規制強化についてです。
 本年8月31日現在、区内にある民泊やホテル等は3732施設に及び、区民の住環境に深刻な影響を与えています。とりわけ区の北部では、狭い道に深夜早朝も送迎の車が入ってくるなど、問題が様々生じており、住民と観光客の間で深刻な軋轢を生んでいます。
 本区では、本年4月1日から墨田区住宅宿泊事業に関する適正な運営に関する条例及び旅館業法施行条例の一部を改正する条例が施行されましたが、条例施行前の施設については規制の適用外とするなど、不十分なものです。
 新宿区では、商業地域で営業日を年120日に制限し、住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区での民泊営業を原則禁止する条例改正が行われようとしています。既存の施設についても、2年の猶予期間を設けて規制を適用させるとしています。墨田区も、民泊やホテル等について、既存の施設を含め、住宅地や学校周辺等での営業を禁止し、他の地域でも営業日時を制限するなど、さらに規制強化すべきです。

 次に、「住まいは人権」の認識に立ち、家賃の抜本的な負担軽減を図ることについてです。
 家賃の高騰が続き、区内のワンルームマンションの家賃相場は月12万円程度と、区民にとって重い負担です。更新時の家賃の値上げや立ち退き等で家賃の安い住宅を探す方が増えていますが、見つけることは容易ではなく、深刻な事態です。
 しかし、区は、家賃負担の軽減には背を向けています。区独自の家賃補助は頑なに拒否し、家賃の安い区営住宅、高齢者個室借り上げ住宅などは、10年以上ほとんど増えていません。
 墨田区が、ここまで家賃負担の軽減を図ろうとしないのは、「住まいは人権」という理念がないからです。現在の住宅価格と家賃の高騰という実態を直視し、「住まいは人権」という認識に立ち、住宅施策を抜本的に拡充すべきです。
 ここまで家賃の高騰を招いてきた責任は、「稼ぐ東京」「国際観光都市すみだ」などを掲げ、大型開発を進めてきた都政や墨田区政にもあります。独自の家賃補助制度を設け、家賃の安い公的住宅を大幅に増やし、家賃の抜本的な負担軽減へ、区は責任を果たすべきです。

 次に、不登校政策などの見直しと拡充についてです。
 2025年度の区立小中学校の不登校児童生徒数は、小学校で287人(2.7%)、中学校で317人(7.9%)となっています。特に、小学校では5年間で2.3倍と急増しており、不登校について、子どもも親も安心できる政策が強く求められます。
 その一つは、いま行き渋りや不登校で悩んでいる子どもや親(保護者)への温かい支援策です。
 不登校への支援の基本を、子どもの心の傷への理解と休息・回復の保障にすえること。
 安心できる情報提供と相談など、親への支援を手厚くし、親の安心を増やすこと。
 子どもの居場所の拡充や、学びの場の条件整備を図ることです。
 もう一つは、「学校が嫌い」と言う子どもを増やさないよう、子どもが通いたくなるような学校にしていくことです。
 過度な競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校をつくることです。
 そのためには、子どもを押さえつける過度の管理をやめること。
 教員の多忙化を解消し、自由を保障すること。
 さらに、“忙しすぎる学校”を生み出した学習指導要領を見直すこと。
 全国学力テストも中止すべきです。
 このような視点から、区の不登校政策について、抜本的な見直しと拡充を強く求めます。

 最後に、教育費の負担軽減についてです。
 墨田区は、給食費の実質無償化や移動教室、修学旅行費の無償化を実施していますが、依然として副教材費や制服代の費用負担などが家計を圧迫しています。また、中学校においては、部活動に使う用具やユニフォームの負担が物価高騰などの影響もあって増えており、その負担軽減を求める声が多くあがっています。
 葛飾区、品川区をはじめ、多くの自治体で、こうした義務教育にかかる費用の負担軽減、無償化が進んでいます。本区でも、義務教育にかかる費用の無償化に向け、さらなる負担軽減策を実施するよう強く求めます。
 大学の学費負担の軽減も大きな課題です。金利上昇の影響で、返済額が100万円増えるケースも出てきており、多くの学生から悲鳴の声があがっています。特に墨田区は、大学進学率が都内平均より高く、区による学生への支援が求められています。
 23区では、足立区に続き、千代田区、隣の江戸川区で独自の給付型奨学金制度が始まっています。墨田区は、制度について「研究」をすると述べてから、いまだに実施の決断に至っていません。深刻な学生の実態を直視し、本区もすみやかに独自の給付型奨学金制度を実施することを強く求め、日本共産党の意見開陳を終わります。

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