決算特別委員会
2020年度の墨田区一般会計と、3つの特別会計(国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療)の決算を審査する決算特別委員会が、10月19日から11月8日までの日程で開かれました。
日本共産党墨田区議団からは、山下ひろみ区議が副委員長に、はらつとむ区議、としま剛区議が委員となり、区政の問題点を指摘するとともに、切実な要求の実現に向けて論戦しました。
竪川にかかる橋の架け替えを
堅川には墨田区に面して、12本の橋が架かっています。決算では、千歳橋の補修工事の設計費が盛り込まれていますが、橋の架け替え計画はありません。
はら区議は「橋の長寿命化は重要だが、竪川の橋はほとんどがアーチ状になっている。急勾配のため自転車は押して渡っている」「現在の技法では10センチ程度高さを低くすることもできるとされており、架け替えも計画してほしい」と要望しました。
所管部長は、「すべての架け替えはできないが、今後、架け替えも検討していく」
会計年度任用職員の待遇改善を
非正規雇用の待遇改善や、正規雇用化が大きな社会問題になっています。
公務員では、従来の非正規雇用や非常勤職員が、会計年度任用職員(一年ごとの非正規雇用)に改まりました。非正規雇用であっても、できるだけ正規に近い賃金や休暇に近づけていくことが必要ですが、非常勤職員と違い更新の回数が連続4回(一部は7回)など、改善が求められています。
はら区議は、「世田谷区、文京区、板橋区では上限回数を定めていない。本区としても上限は撤廃し、雇用の不安定化を防ぐために再検討すべき」と質問。
担当課長は、「国は一年ごとの更新と決めており、都内では世田谷区、文京区、板橋区に是正を求めている」と答弁しました。
中等度難聴児への補聴器購入助成は拡充を
補聴器には、イアモールドという付属品があり、これが耳の内側に密着しないと正常に機能しません。中等度難聴児の子どもは、イアモールドを成長に合わせ年に1度程度の買い替えが必要です。としま区議は「補聴器が正常に機能しないと授業が聞き取れないだけでなく、子どもの言葉の発達にも影響する。必要な付属品の費用は、区で補助してはどうか」と提案。障害者福祉課長は「付属品のサイズが合わない場合の子どもへの影響は理解した。区としても前向きに対応したい」と答弁がありました。
ヤングケアラー対策は、なによりも実態調査が重要
通学や仕事をしながら障害や病気のある親などの家族介護や世話をしている18歳未満の子ども、いわゆるヤングケアラーが社会問題になっています。
国も専門家もヤングケアラー問題解決には実態調査が出発点だと強調していますが、区は調査に背を向けてきました。
としま区議は、「区は調査をしない理由に『ヤングケアラーに対する認識不足でアンケート結果の信憑性に課題がある』と言うが、啓発とあわせ、アンケートの取り方に工夫さえすれば対応できる。まだ把握されていないヤングケアラーが、学びの機会を失ったり、進路を断念することが決してないよう実態調査を実施すべき」と主張しました。
不登校対策 スモールステップルームは全校に配備を
学校へ行っても教室で授業を受けられない子どもたちのために設置したスモールステップルーム(SSルーム)が成果をげています。
としま区議は「不登校の児童、生徒が増加している。一方で現在SSルームが設置されている学校は2校のみ。教員と連携し現場対応で重要な役割を果たしているスクールソーシャルワーカー(SSW)は区内にわずか3名。ともに拡充が必要」と主張。教育委員会指導室長は「SSルームは段階的に増やしたい。また、SSWの人員体制も拡充できるよう検討したい」と前向きな答弁をしました。
全ての学童クラブのネット環境を改善へ 子どもたちの勉強できる居場所の確保を
「学童でタブレットでの宿題をさせたいがネット環境が悪くできない。学童のネット環境を何とかしてほしい」と保護者から声が寄せられました。
山下区議は、「全ての学童クラブのネット環境を早急に整備すべき」と要求。子ども施設課長は、「11月に入り整備する。内には完了を目指したい」と答弁しました。
また、山下区議は、多くの児童館をはじめとして、子どもたちが「安心・安全で学習のできる場所を整備すべき」と主張。
教育長は「様々な場所で子どもの居場所を検討し、整備していく」と答弁しました。
学校トイレの生理用品の配備は予算化を
山下区議は「コロナ危機のなか、『生理の貧困』が社会問題になっている。区は防災備蓄品や地域団体からの寄贈品を活用し、生理用品を学校トイレに設置してきたが、今後もこれを継続し、必要な予算措置を講じるべき」と要求。
教育委員会学務課長は、「補給のため、財政当局と相談していく」と答弁しました。
<すみだ区議団ニュース 第516号より>