コロナ危機で新自由主義的な社会の歪みが明らかに 1人ひとりの暮らしや命を大切にする政治へ転換を 日本共産党としま剛区議が代表質問

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墨田区議会定例会

代表質問に立つ、としま剛区議

 墨田区議会定例会6月議会が、6月12日から30日までの日程で始まりました。コロナ危機のもと、区政のあり方が最大の争点です。

 12日には、としま剛区議が日本共産党の代表質問に立ち、「コロナ危機に臨む基本的な姿勢」「PCRなど検査体制、医療体制の抜本的な強化」「区民の暮らしと営業を守る対策」「学校再開にあたって、心身のケア、柔軟な教育などの対応」「コロナ収束後の社会のあり方」について、山本区長と加藤教育長の見解を質しました。

PCRなど検査体制の整備を 保健センターの統廃合はやめよ

 としま区議は、日本のPCR検査数が外国に比べても桁違いに少ないことを指摘し、第2波、第3波に備えるため、①医師が必要と判断したら、保健所を通さずに行える仕組みの整備、②医療、介護、福祉、教育等で働く人たちに定期的なPCR検査の実施などを要求しました。

 また、「新型コロナのような未知の感染症への備えは、コスト削減・経営効率優先ではできない」と指摘し、③都立病院の独立行政法人化に反対を表明すること。④向島保健センターは存続させ、公衆衛生の充実・強化を図るべきと区長に迫りました。

 区長は、①現行の体制を今後も維持する、②国や都の情報を収集していく、③独法化に反対する考えはない、④保健センターを1カ所にすることで役割を最大限発揮できるなどと強弁しました。

深刻な暮らしと営業を守るため独自の現金給付型施策を実施せよ

 6月議会に提案された補正予算案には、区民の暮らしを直接応援する事業がありません。

 としま区議は、「国や都の対策は不十分なうえ、時間がかかりすぎて、必要な時に間に合わない。その隙間を埋める自治体の支援策が求められる」として、他区が行っている家賃助成や区民への給付金などの支援策を紹介し、①「なぜ、独自の現金給付型施策を実施しようとしないのか」ときびしく指摘。また、熱中症対策が重要だとして、②低所得者に対し、冷房設備の設置費や電気代への助成を行うよう要求しました。

 また、としま区議は、区は「災害に備えるため」などと言って、財政調整基金をこの5年間で約71億円から約175億円へと急増させてきたと指摘し、③積極的に基金を活用して、区民生活を守る役割を果たすよう求めました。

 区長は、①国や都の施策も活用しながら、暮らしや営業への支援をすすめる。現金給付型支援策は考えていない。②冷房設備への助成は慎重に検討する必要があり、現時点では考えていない。③今後きびしくなる財政状況も見ながら、基金の活用について検討すると

学校再開、子ども1人ひとりを大切にする手厚い教育が必要

 としま区議は、「長期の休校による学習の遅れと格差の拡大、不安とストレスはたいへん深刻。学校再開にあたっては、子ども1人ひとりを大切にする手厚い教育が必要」だと強調。①心身のケアをしっかり行うこと。②夏休みや学校行事の大幅削減など「詰め込みではなく柔軟な教育」が必要。③差別や選別を助長する統一学力テストは来年度以降も実施しない。④感染防止のため教職員やスタッフを増やし、20人程度で授業ができるようにすることなどを提案しました。

 教育長は、① きめ細かい心身のケアに取り組む。②教育課程の工夫を行う。③国や都の方針に基づき実施していく。④時間講師や支援員の増員を図ると答えました。

コロナ収束後の区政運営 「内発型」の産業振興へ再転換を 民営化中心の「行革」は見直しを

 としま区議は、「コロナ危機で政治や社会の歪みと脆弱さが明らかになった。新自由主義からの転換を図り、区政運営の基本姿勢を見直すことが必要」だと問題提起。①「国際観光都市」をめざすとして、観光拠点づくりなど再開発事業を優先する財政運営と産業振興策を見直し、中小企業振興基本条例に基づく「内発型」の産業振興へと再転換を図っていくこと。②福祉施設や教育施設の民営化など、財政効率を優先した管理運営では、いざというときに十分な役割が果たせない。人件費の削減が最大の目的である民営化はやめるべきと、強く求めました。

 区長は、①区の活性化に向け、再開発事業は今後、ますます重要になる。②財政状況はいっそう厳しくなる。効率化を図る必要があり、民間委託や指定管理者を進めていくなどと述べ、区政運営を見直す姿勢を見せませんでした。

新型コロナ対策で日本共産党などの議会論戦や申し入れで実現した支援策

★就学援助受給世帯に休校中の給食費を支給

★収入が落ち込んだ場合、前年の所得に関わらず就学援助の対象に

★休校中の学校給食の調理委託業者に対する休業補償

★国保料や介護保険料の特例減免

★中小業者向けの緊急融資

★特別定額給付金の申請書郵送前の特別申請

★医療機関や介護施設等へのマスクなど感染防護資材の提供

★休校中の子どもたちの居場所や運動の場として学校施設の開放

★家庭内暴力や虐待に対する相談・支援体制を拡充、メンタルケア対策の強化

★保育所休園中の柔軟な受け入れ

★ホームレスや失業等により住まいを失った人に対し、ホテルや民間施設の借り上げなど居場所の確保

★迅速で分かりやすい情報発信や各種申請手続きの援助、相談体制の拡充

<すみだ区議団ニュース 第507号より>

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