「学校給食費の無償化に関する意見書」日本共産党の提案がまとまり 全会一致で可決=11月区議会

 墨田区議会11月定例会が11月18日から12月12日までの日程で開かれました。

 日本共産党墨田区議団は、本区議会に「学校給食費の無償化を求める意見書(案)」を提案しました。この意見書案は、幹事長会で協議され、一部字句等の修正のうえまとまり、本会議において全会一致で可決されました(下記に全文を掲載)。

 日本共産党は、憲法の規定に基づき「学校給食費を無償とする」ことをめざして運動を広げるとともに、物価高騰のもとで墨田区が学校給食費に助成を行い、保護者負担の軽減を図ることを繰り返し求めてきました。今回、全会一致で可決された意見書は、「学校給食費は・・・・義務教育に係る費用では最も重い負担となっている」「都内においては、公立小・中学校の給食費に対し、35区市町村が補助し、そのうち5町村が無償化とするなど、各自治体の判断による保護者への支援の取組が広がっている」として、「国会及び政府に対し、学校給食費の無償化を国の政策に位置付け、自治体への財政的な支援を行うよう強く要望」するものです。

目次

学校給食費の無償化に関する意見書

 急激な円安やロシアによるウクライナ侵略などの影響で、燃料や食料品などの価格がかつてない勢いで値上がりし、家計を圧迫しています。

 とりわけ、保護者が負担する年間の学校給食費は、墨田区も都内の平均とほぼ同程度で、小学校高学年が5万8,080円、中学校が6万3,305円と、義務教育に係る費用では最も重い負担となっています。

 学校給食は、栄養を補給するだけでなく、一緒に食べることでコミュニケーションが豊かになり、心身の成長にもつながります。また、給食の食材やそれに関わる人、調理方法など、地域の伝統や日本の食文化を伝えることも食育として大切です。さらに、人間として豊かに生きるために必要なことを、食べる体験を積み重ねて学ぶ教育の場です。

 家庭の事情により、自宅で十分な食事をとることができない子どもたちの“ 栄養格差” の改善という点でも、学校給食の果たす役割は重要であり、このことを是正するために、現在、就学援助制度が設けられています。

 授業料については、「義務教育は、これを無償とする。」と定めた日本国憲法第26条 第2項や教育基本法第5条第4項の規定により、徴収しないこととされています。当初は、自己負担が求められていた教科書購入費については、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律等により無償化されました。

 しかし、学校給食費については、 学校給食法第11条第2項の規定により、保護者の負担とされています。

 当該規定は、自治体による負担を否定したものではないため、東京都内においては、公立小・中学校の給食費に対し、35区市町村が補助し、そのうち5町村が無償化とするなど、各自治体の判断による保護者への支援の取組が広がっています。

 こうした取組の背景には、本区議会が本年9月30日付けで「子育て支援の拡充に関する意見書」を提出したように、時代の変遷により、学校給食費については、救貧政策から子育て支援政策に転換するべきとの世論があります。

 よって、墨田区議会は、国会及び政府に対し、学校給食費の無償化を国の政策に位置付け、自治体への財政的な支援を行うよう強く要望します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。

 令和4年12月 日
                       墨田区議会議長名
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、
 総務大臣、財務大臣、文部科学大臣 あて

<すみだ区議団ニュース 第522号より>

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